2012-09-13 :-(
_ [光田康典][ゲーム音楽]「ゲーム音楽」の現在形
光田康典さん( Our Millennial Fair 光田康典 - Wikipedia )のお話が聞けるということで行ってきた。東京藝術大学 千住キャンパスは足立区にあった小学校を改装して使っているらしい。5 年前に建て替えたらしく、ずいぶん綺麗だった。
■登壇者
光田 康典(有限会社 プロキオン・スタジオ)
齋藤 健二(株式会社2083)
土屋 ユリ(東京藝術大学院修士課程)
司会:毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)
演奏:神永大輔(尺八奏者)・SUPER JOHN BROTHERS
内容は光田康典さんのゲーム音楽 仕事の流儀というか、光田康典さんが考えるゲーム音楽といったもの。以下 {} は私のメモだったり言葉についても登壇者が実際に言った言葉ではなく私が解釈した意味を書いたりしている。
- 音楽の作り方
- クロノ・クロス
- 多彩なジャンルの音楽
- プランナーがまずゲームを計画
- シナリオや絵やセリフなどの素材をもとに音楽を作っていく
- クロノ・クロスとは、人生における岐路、選択による転換、青い空、青い海
- 青い空、青い海→地中海とかバルカン半島を連想
- ゼノサーガ
- ムービーゲームと言われるようにムービーが多い
- ムービーが出来上がってからムービーに曲を合わせて作った
- そういうふうに仕事を進めた
- クロノ・クロス
- 音楽のジャンル
- 全世界の音楽を使いきることは出来ない。絞り込まないといけない
- クロノトリガー(光田さんが初めて作曲したゲーム)はいろいろな時代を行き来するゲーム
- 和の音楽にしたかった
- 和とは
- 懐かしい気持ちになれるもの
- 体育館のピアノのくぐもった音
- クロノトリガーの音楽ジャンルは乱立しているように見えるけど、テーマ(和)は一貫して作った
- テーマの使い方
- 1 つのテーマ曲をモチーフにして使いまわす手法はある
- { モチーフはドラクエ[ 20070809#p07 ] やサガフロ2のようなものか }
- クロノトリガーはさまざまな時間の登場人物が居る
- 最後の曲は テンポ 120 にして登場人物の曲を使ったり(?)
- 最後に時計の音はちゃんと 1 秒刻みにしたり
- そういう細かいのは割りと好き
- { クロノトリガー「遥かなる時の彼方へ」 }
- 民族音楽
- 素の民族音楽はアクが強いのでスンナリ入ってこないかもしれない
- 現地で現地の音楽を聞くのは自然に聞ける
- 自宅で聞くと違和感がある
- 現地の民族音楽そのままではなく受け入れやすいようにアレンジしている
- { まさに「和風」というか「光田風」というか }
- 光田康典はよく現地へいって現地の音楽を聞く
- 現地へ行って現地の音楽に触れるようにしている
- バリ島のケチャとかフィンランドとか
- フィンランドは森がたくさんある、空は青い、でもどこか暗い
- ブラジルは陽気
- ゼノサーガのときはブルガリアボイスを収録しにいった
- 当時はブルガリアがインフレしていた
- 現地のアーティストは「仕事がある」と喜んでいた
- お金のせいではないと思ってるんだが、アーティストたちは曲を真剣に受け止めてくれた
- そういうの{ アーティストたちの熱意、情熱 }は現地に行かないと体験できない
- アイリッシュとの出会い
- 学生のころ(19歳)にラジオから流れてきた
- よく分からなかったんだがとても印象があった
- 音楽ジャンル
- いろいろな音楽を混ぜたりしている
- ちゃんとリスペクトしている :-)
- アニメ音楽とゲーム音楽の違い
- イナズマイレブンを比較
- イナズマイレブン(ゲーム)の場合
- ディレクターから曲リストがくる
- しかし説明があまりない
- さっぱり分からないので絵を見せてもらったりしてから作曲する
- イナズマイレブン(アニメ)の場合
- ディレクターから曲リストがくる
- かなり詳細に書かれている
- 心境や状況などどこで使う曲なのか
- リズム、テンポ、展開、編成(オーケストラ)など
- アニメ音楽はフェードアウトできないので曲の長さが指定されている
- 曲の最後にちゃんとキメないといけない。「ジャン!」みたいな
- アニメ音楽とゲーム音楽どちらが好きか
- どちらも向いてない :-)
- きっちりやるのが好き
- アニメは最終的に曲がカットされる
- 「そこでカットするのか」など悶々とすることもある
- ゲーム音楽と世代
- SFC: 内蔵音源
- PS: 内蔵音源 + 重要なところは生音(ナマオト)
- PS2: だいたい生音
- DS: 内蔵音源
- 昔からやってる 40 代の作曲家たちは SFC の貧弱環境での作曲を経験している
- DS の仕事が来ても請け負える
- PS2 あたりから入った作曲家は貧弱環境を未経験なので DS での仕事が出来なかったり
- DS のような貧弱環境は少ないメモリに音楽を乗せるなどするので職人技が要求される
- そういうの好きです :-)
- ゲーム音楽の演奏
- 昨今はアマチュアもプロもゲーム音楽を演奏することが多い
- 初めての音楽がゲーム音楽の世代は居る
- クラシックやポップスよりも先にゲーム音楽があったひとたち
- { ゲーム音楽ネイティブとでも言うのか。まあ私もそうだけど }
- クロノトリガーや DS などの曲はフルオケではないので、演奏時にアレンジする余地があろう
- フルオケ ゲーム音楽はもはやアレンジする余地がなかろう
- 作曲者として、それは自覚している
- 最近はフルオケであってもアレンジの余地を作れるのではないかと思っている
- 難しいけど
- ゲーム音楽ネイティブ { 私の造語 }
- 毛利嘉孝「
- 40, 50 代はポップスとかビートルズなどが音楽だった
- その世代の共通の音楽だった
- ここ 20, 30 年はゲーム音楽がネイティブの世代が居る
- 音楽はその土地の生活や文化と結びついている
- 宗教の音楽とか、食事の前の音楽とか、神が降臨する音楽とか
- ゲーム音楽ネイティブたちも生活と結びついているのではないか
- ゲーム音楽と宗教
- 世界中の音楽のなかでコーランだけはゲーム音楽に使われていない
- 業界が自粛しているのだろう
- でも使ってみたらどうなるのだろうか
- 民族音楽をたんに「面白いから」という理由だけでゲーム音楽に使うのはよろしくない
- 宗教の問題などがある
- しっかり研究したうえでゲーム音楽に使うべきであろう
- { 昨今のアメリカ大使館襲撃などを見るとコーランはさすがに怖すぎる... }
- ゲーム音楽と魂
- 毛利嘉孝「
- 昔 ゲーム音楽はチープだし心が篭っていないなど言われてたし言っていた
- しかしゲーム音楽を演奏することでじつはゲーム音楽にも魂が宿っていることに気づくのではないか
- 神が降臨するような
- CHRONO CROSS ~時の傷痕~
- 元は尺八とフィドルで演奏していた
- クロノ・クロスの世界観 ホープとアナザー
- 岐路の選択肢によって人生が変わっていく
- ホープとアナザーが乖離していったりする
- それを尺八とフィドルで表現した
- 最初は尺八とフィドルは同じ演奏をしている
- 曲が進むにつれて徐々に違う演奏をするようになる
話のあとに SUPER JOHN BROTHERS による演奏。
CHRONO CROSS ~時の傷痕~とか Pain とか。パーカッションのひとが 岡島俊治さん だった。一純悠人さん のライブでドラムやってるひと。最近ライブ行ってなくてゴメンよ (´・ω・`)
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