2002-06-23
LETTER
* まとめとか
今日は昼夜の 2 回。夜見て思ったのだけど、この芝居は良いっす。先日と言ってることが違うけどさ。泣いてしまったよ。
もうネタバレもなにも無いだろうからちと説明。ポイントごとに。
- 概要
声優のナツハラ アオイ( 坂本真綾 ) と、そのファンのカワカミ タクミ( 渡辺健 )。お互いの本名も知らない。最初は二人とも心を閉じている。相手を信用していないという意味ではなくて、周囲に対して心を閉ざしている。二人が { 電子, 郵政省 } 手紙をやりとりするうちに、お互いに閉じていた心をお互いに開いていくというもの。
- 扉
舞台そのものは黒い壁に囲まれた空間になってる。壁にはひとが通れる大きさの扉が 5,6 個。郵便受けをイメージした扉が 2 つ。テレビをイメージした扉が 1 つ。真中に段がある台が 1 つ。舞台はそれぞれが生活してる部屋と、それぞれの精神を表してる。扉は閉ざされている。
- 扉を叩く音
自分の心を刺激する状況を表す音。心に刺激があると、扉を叩く( ノック )音がする。たとえば、アオイのタクミに対する問い「 あなたの本名はなんですか? あなたの職業はなんですか? 」 とうのがあると扉を叩く音がする。
- 心を閉じる( アオイの場合 )
つい先日彼と別れたアオイ。彼のことを信じていたのに、愛していたのに、彼は離れていってしまった。
愛している。だれを?
信じてる。なにを?
言葉だけが交わされて心は交わされていなかった。言葉だけでは何も伝わらない。
- 心を閉じる( タクミの場合 )
小さい頃から外見で判断されていた。外見よりも中身が優れていれば良かったのだけど、そうではなかった。期待外れと言われた。だれも中身を見てくれなかった。本当の自分を誰も見てくれない。自分の心を見てくれない。誰かが話しかけてきても自分を偽る。本当の自分は彼らには見せない。自分の心に壁を作る。氷の壁を作る。自分と他人には境界を作る。
自分は字が汚い。小学生のころ字が汚いやつは心が汚いやつだと言われた。郵政省手紙を手書きでなくて、ワープロを使って書く。{ 電子, 郵政省 } 手紙は自分を他の自分を演じることができる。なんだってできる。スーパーマンにだってなれる。
- freeze
歌によく出て来る freeze という歌詞。こーいう意味。
誰かが自分の心に踏み込もうとしている。凍らせろ。凍らせろ。自分の心を守る壁を作れ。氷の壁を作れ。
- 心を開く( アオイの場合 )
タクミは、じつは小学生のころアオイが恋していたタクミだった。こうしてタクミと手紙を交わしている。タクミの手紙からは文字だけでなく、ちゃんと心が伝わってくる。言葉だけでなくて心を交わしてる。タクミとは心を交わせることができる
- 心を開く( タクミの場合 )
アオイが自分を包んでくれる。字が汚い自分を認めてくれる。失敗ばかりしている自分を認めてくれる。弱い自分を認めてくれる。自分には自分を想ってくれるひとがいる。熱を持とう。心のまわりに作った氷の壁を解かす熱を持とう。アオイが自分を包んでくれる。
- 扉
舞台を囲っていた黒い壁。壁にあった扉が最後にすべて開かれる。開かれた扉からは光が差し込みふたりを照らす。
- 終了後の挨拶( 昼の部 )
渡辺「 次がラストです。がんばります。」
- 終了後の挨拶( 夜の部 )
真綾「 いけね。鼻水出てる。」
* 感想
初日に見たときはつまらないラブストーリーかと思ったんですよ。そんなことはないですな。すばらしいです。泣いてしまいましたよ。芝居見て泣いたのって初めてかもしれない。
誰でも自分の中に弱い部分、暗い部分を持ってる。小さいころ弱い部分をひとに否定された、ケナされたタクミはそれ以来自分の心を閉ざしてしまった。心を閉ざしてひとの前では偽りの自分を演じていた。
タクミに必要だったのはタクミの弱い部分を受け止めてくれるひと。外見だけで判断しないひと。それがアオイだったわけです。
お互いが持っていた恋心は愛に変わったわけですな。ぅぅ。ええ話しや。
ぃゃ、ほんとは公演中にヲレの中でいろいろな考えが出て来て、そのせいで感情が出てしまったのだけど、そこの辺はもう落ち着いたので省略。
* 歌詞
真綾のイージーリスニング「 birds 」には以下のような歌詞があります。歌詞って web に書いて良いんだっけ。
痛みを分けて 弱さ見せて 隠し切れない嘘も全部もっと もっと預けて あなたの胸のいちばん奥にどんなずるく汚いものを見つけても 私が触ってあげるから
_ 今週の目標
たまにはメールじゃなくて手書きの手紙も書いてみよう。